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Posted by ミリタリーブログ at

2009年07月11日

MGC ハイキャパの破損補修(その1)

MGC製ガスブローバックガン キャスピアン ハイキャパシティの初期型に100%発生する致命的ダメージの補修方法です。


独特の外観とシャープな造形、ズッシリとした手応えが魅力的な製品です。
M1911系用ハイキャパシティフレームの極初期のモデルのため、45ACPではなく9mmパラと38スーパーを念頭において設計されており、マガジンは後のパラオーディナンスやSTIよりも細いものになっています。
しかしながら、グリップの太さはかなり太めです。


あきらかに設計のミスで、ハンマーダウン時にマガジンを押し込むと、マガジン上部に押されたバルブノッカーの行き場が無くなり、インナーシャーシ左後部の付け根が折れます。
正常に使用するとしてもマガジンの挿入の際に最後にグッと押す必要があるため、説明書をしっかり読んで使い方を理解していてもうっかり破壊してしまいます。

本来はこんな感じですが、


こんな風に折れます。

シャーシが折れると、フレーム左後部のサムセフティ裏側部分に同様の負担がかかる他、ハンマースプリングのテンションもかかる為、割れます。
これでこの製品は一巻の終わりです。

赤いラインのあたりで割れます。

余談ですが、実銃でもフレームの強度に問題があるようで、ネット上に各部にビシビシと亀裂の入った画像がアップされていました。


初期製品で破損が多発したため、強化型のインナーシャーシと先端可動式バルブノッカー&対応マガジンが開発されましたが、その時点でこのシリーズの評価は地に落ちていました。

発射&ブローバックメカを改良して、バリエーションも多数発売され、ガバファン待望のM1911A1も発売されましたが、根本的な設計の古さの縛りから脱する事が出来ず忘れられていきました。


さて、とはいえこのスタイルでは唯一のトイガン化なので、コレクション用としては見逃せない存在感があります。
そこで、かなり難易度の高い方法ですが、稼動可能状態まで修復を試みます。

修復の難易度が高い理由は、破断部分の断面積が狭いうえに各種スプリングのテンションが複雑にかかる箇所のため、接着での補修では耐える事が出来ないためです。

余談ですが、他の方が行なった補修例では、サムセフティを無くしてその部分に補強部品をあてがい、セフティは何とクロスボルト式のものを新設したというものを見た事があります。凄すぎ。


必要な工具・素材
・エッチングソー(極薄ノコギリ)…ハセガワ製の模型用工具を使いました 樹脂部分を切ります
・レザーソー…ピラニア鋸といった名で売られている薄刃のノコギリ 亜鉛合金部分を切ります
・0.3mmステンレス板…補強に使います
・金属用カッター…ステンレス板をキレイに切れる工具なら何でも
・電動リューター…ステンレス板を削れる気合のあるモノを
・強力な接着剤…亜鉛部品とステンレス板を接着します 気合の入ったものを
・金属に食いつくパテもしくは盛り上げ可能な接着剤 WAVE製の「黒い瞬間接着剤」を使いました
以下は必要なら
・極小ビス…1x2mmの皿ビス 補強に使います 無くても耐えるかも
・ピンバイス…0.9mmとか 上記のビスの下穴開けに

作業内容
・折れた箇所にステンレス板をインサートして補強します。
・接着のみでは不完全ですが、亜鉛合金はハンダ・ロウ付けなどがほぼ不可能、樹脂部分も接着では強度不足なので、各部にノコギリで溝を掘ってそこにステンレス板を差し込んで強度を上げます。
・可能であればビスを立てて補強します。

(続く)  


Posted by たぐちやすたか at 00:46Comments(0)MGC